がんばらにゃ2013年8月号
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がんばらにゃに関するご意見、ご感想などをお聞かせください…… ganbaranya@fukuicoop.or.jp5食の安全安心を考えるVol.13食にまつわるちょっとした疑問について科学ライターの松永和紀さんがわかりやすくお伝えします。PROFILE食品の安全性や環境影響等を取材している科学ライター。京都大学大学院農学研究科修士課程修了(農芸化学専攻)。毎日新聞社に記者として10年間勤めたのち独立。「メディア・バイアス あやしい健康情報とニセ科学」(光文社新書)で科学ジャーナリスト賞2008を受賞。消費者団体「FOOCOM」(フーコム)を設立し、「FOOCOM.NET」(http://www.foocom.net/)を開設した。昨年末『お母さんのための「食の安全」教室』(女子栄養大学出版部)を刊行。松永 和紀さん農薬が使われる理由と管理方法、知ってください 農薬はイヤ、という思いを抱える消費者は多いでしょう。しかし、農薬使用には理由があります。決して、農家が楽をするためではないのです。使われる理由と、問題を引き起こさないための管理の仕組みを知ってください。 農家が農薬を使うのは、病害虫や雑草などの被害を防ぎ、安定した生産を得るため。日本は温度が高く湿度も高く、欧米に比べて病虫害に見舞われやすい気候風土です。そのため、無農薬栽培だった戦前は生産性が低く、十分に食べられない人たちが大勢いました。戦後、化学合成農薬が普及して、品種改良や肥料の技術も進んで、生産力は飛躍的にアップしました。しかし、強い毒性を持つ農薬も使われてしまい、1960年代から70年代にかけて市民団体や生協などから強い批判が起きました。そして、農薬は大きく変化したのです。 現在、日本で使われている農薬は、人や環境に影響を及ぼしにくい物質が選ばれて使われています。たとえば、光合成経路に作用し植物を枯らす除草剤であれば、光合成経路を持っていないほ乳類や虫は影響を受けません。また、虫と人では代謝の仕組みが異なるのを利用して、虫にだけよく効く殺虫剤なども数多く開発されています。 さらに、化学物質は体に取り込む量によって影響が大きく異なりますので、使用量をコントロールすることも重要です。現在は、農薬の作用機構や影響の大きさを詳細に調べたうえで、人に影響をもたらすような量が食品に残留しないように、国が農薬の使用方法や回数などを決めており、食品ごとに残留基準も決定しています。 これらの仕組みには、食品安全委員会や農林水産省、厚生労働省など多くの組織がかかわり、科学者が審査したうえで、農薬の使用を認めています。残留基準を超過する食品がないか、国や自治体などが国産食品だけでなく輸入食品も検査しており、私たちが農薬を微々たる量しか摂取していないことも、さまざまな調査からわかっています。環境への影響もなるべく小さくなるように、研究が続き使用方法の改善も図られています。 安定生産などにつながる現在の農薬により、消費者も恩恵を受けています。農家は、適正農業規範(GAP)を取り入れるなどして、安全に使う努力を続けています。県民せいきょうでも、農家と組合員の相互理解を深めていただければ、と願っています。病害虫や雑草防ぎ安定生産に貢献細心の注意を払い農家は使っている 県民せいきょうでも、産直生産者を中心に生協版GAPを導入し、生産者とともに栽培方法や品質を確認しています。昨年度は、県内40・県外6生産者の点検活動を行いました。※適正農業規範(GAP)とは? 「安全安心な農作物を生産するための適正な管理のポイントを整理し、まとめたもの」です。農業現場での異物混入や有害な物質による汚染など、農作物の安全・衛生に悪影響を及ぼす要因について点検・記録を行い、改善を図ります。この取り組みを多くの生産者が取り入れることで、食品の安全性向上、環境の保全、労働安全の確保、競争力の強化、品質の向上、農業経営の改善や効率化に役立てるとともに、組合員のみなさんに安心してご利用いただける商品づくりをめざします。県民せいきょうのGAP(※)の取組み
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