がんばらにゃ2014年1月号
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くらしの安心を考えるVol.4「地域いきいき健康講座」では、福井県済生会病院との連携で地域の医療の先生を講師に迎え、病気や健康について学んでいます。2014.1月号4 今や国民の2人に1人ががんにかかり、3人に1人ががんで亡くなる時代です。脂肪肝の主な原因である糖尿病では、がんのリスクが2割近く高くなることが明らかになっています。糖尿病での肝臓がんになるリスクは1.97倍、膵臓がんでは1.85倍、大腸がんでは1.4倍、腎臓がんでは1.9倍、子宮内膜がんでは1.84倍と報告されています。最近、健診(ドック)において肝機能障害を指摘される人が増えており、その大半が脂肪肝です。脂肪肝は超音波検査で簡単に診断できることもその理由の一つです。脂肪肝は肝細胞内に中性脂肪が沈着した状態です。脂肪肝は、肥満、糖尿病、アルコール多飲などが原因であり、肝臓のメタボです。軽い脂肪肝では、自覚症状も肝機能検査異常もほとんどみられないことから「たかが脂肪肝」と言われてきました。近年、脂肪肝の約一割が慢性肝炎である非アルコール性脂肪性肝炎(ナッシュ)を発症し、さらに肝硬変・肝がんに進行することが明らかになってきました。日本には約100万人のナッシュがいると考えられています。当院でも糖尿病の患者さんの肝臓を調べると、ナッシュと診断されることがしばしばあります。肝がんの多くは肝炎ウイルスが原因ですが、最近ではその一割弱がナッシュからと考えられ「されど怖い脂肪肝」と注意が喚起されています。 メタボでは、糖尿病、高血圧、脂質異常症、肥満などの合併とともに動脈硬化のリスクが問題となっています。糖尿病は動脈硬化の危険因子であり、糖尿病での脳梗塞のリスクは2倍に、心筋梗塞のリスクは2〜6倍にもなります。 このようながんのリスクならびに動脈硬化の危険因子であるメタボ(脂肪肝)への対応が求められます。肝臓は、糖代謝、脂質代謝、蛋白代謝など体を維持する大切な働きをしていますが、筋肉は第二の肝臓とも言われています。食事療法や運動療法によって減量を図るとともに筋肉を鍛え、ライフスタイルを見直すことで脂肪肝を克服していくことが「くらしの安心」につながります。           「たかが脂肪肝、本当は怖い脂肪肝」脂肪肝や糖尿病の人は、がんのリスクが高いがんのリスクの高い脂肪肝を克服することが、くらしの安心に繋がる肝臓のメタボである脂肪肝を見直すことで、がんのリスクを低減しましょう。 脂肪肝の主な原因である糖尿病では、がんになるリスクが2割高くなります。全肝臓がんのうち1割弱が脂肪肝をベースにしています。メタボ(生活習慣病)は、がんのリスクとともに動脈硬化の危険因子でもあります。ライフスタイルを見直し、メタボ対策を始めましょう。地域いきいき健康講座 「ピロリ菌と胃癌の関係」今までは胃潰瘍や十二指腸潰瘍の原因として、胃の中に生息する“ピロリ菌”の存在が注目され、その除菌治療が行われてきました。近年、ピロリ菌の存在と胃癌発生の関係が強いことがわかり、また、昨年よりピロリ菌の検査及び除菌治療が保険でできるようになりました。日本人におけるピロリ菌と胃癌の関係、除菌治療についてお話しします。講師座長福田胃腸科外科院長 福田和則先生福井県済生会病院外科医長 天谷奨先生2/13(木) 14:30~15:30ハーツたけふ ふれあいルーム20人(先着順)無料15ページコールセンターまで時定所¥申PROFILE1949年福井県生まれ。73年金沢大医学部卒。同年同大医学部第一内科入局。国立がんセンター研究所・内科、金沢大医学部第一内科助手、講師。82年ロンドン大学ロイヤル・フリー病院内科客員研究員。87年福井県済生会病院内科。95年副院長。09年から病院長。99年から金沢大学医学部臨床教授。08年から福井県肝疾患連携拠点病院責任者。福井県済生会病院院長 田中延善先生

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