がんばらにゃ2014年11月号
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食の安全安心を考える食の安全安心を考えるVol.20食にまつわるちょっとした疑問について科学ライターの松永和紀さんがわかりやすくお伝えします。PROFILE食品の安全性や環境影響等を取材している科学ライター。京都大学大学院農学研究科修士課程修了(農芸化学専攻)。毎日新聞社に記者として10年間勤めたのち独立。「メディア・バイアス あやしい健康情報とニセ科学」(光文社新書)で科学ジャーナリスト賞2008を受賞。消費者団体「FOOCOM」(フーコム)を設立し、「FOOCOM.NET」(http://www.foocom.net/)を開設した。2012年『お母さんのための「食の安全」教室』(女子栄養大学出版部)を刊行。松永 和紀さん消費期限と賞味期限区別し、廃棄を減らそう 消費期限と賞味期限を区別せず、期限切れの食品をすぐに捨ててしまう人がいる、と聞きます。これらは性質が異なり、賞味期限切れの食品は、問題なく食べられることがほとんどです。「もったいない」を忘れてはいませんか? 消費期限は、お弁当や生菓子、食肉・生めんなど、保存がきかず急速に劣化する食品に付けられます。期限を過ぎた後は、腐敗や食中毒の懸念が高まりますので、消費期限が切れた食品は食べずに処分してください。 一方、賞味期限は表示された方法で保存された場合に品質の劣化が緩やかな食品に付けられる、品質がベストの状態を保持できる期限です。ハム・ソーセージやスナック菓子、インスタントラーメン、缶詰など多くの食品に用いられます。もちろん、安全性は保たれています。 これらの期限は、その食品にもっとも詳しい立場の製造事業者が、責任を持って決めなければなりません。国は、「微生物試験」や含まれる化学物質の変化を見る「理化学試験」、人が味わってみる「官能検査」など科学的根拠を基に期限を決めるように、事業者に求めています。 ただし、両方の期限共に開封前のみ有効です。開封すると、空気中に飛んでいるカビの胞子が入ったり細菌が混入したりします。その状況は、開封した場所や方法などによって大きく変わり消費者の責任となるので、期限は無効となるのです。したがって、開封した食品はなるべく早く食べなければなりません。 消費者が、外見や臭い、味などチェックして食べるのも大事ですね。ただし、腐敗を招く菌と食中毒菌は異なり、食中毒菌が増えていても五感ではまず、察知できないことも、知っておいてください。 期限までに食べようと思っていても、棚の奥にしまいこんで忘れてしまう場合がありますね。わが家も同じ。私は、賞味期限切れの食品は気にせず食べることが多いです。最近の生産加工技術のレベルはとても高いうえ、事業者が万全を期して、本来品質が保持される期限よりも短めに表示していますので、多少の期限切れであれば、問題ないことがほとんどです。しかし、こうした賞味期限の性質を知らない人が多く、食品が捨てられます。 日本では、食べられるのに捨てられる食品が年間約500〜800万トンあるとされ、「食品ロス」と呼ばれています。原因の一つとして、消費者が消費期限と賞味期限を混同していることが挙げられています(消費者庁・食品ロス削減に関する意見交換会)。しっかりと理解して、食品ロスを減らしましょう。消費期限切れは安全に関わる食品ロス低減めざししっかり理解を消費期限と賞味期限のイメージ消費期限が切れた食品は安全性に問題があり食べられないが、賞味期限が付いた食品は劣化が比較的遅く、しかも品質がベストの状態を過ぎただけなので、問題なく食べられることが多い。出典:農水省資料安全に食べられる限界  →↑製造日↑消費期限↑賞味期限保存日数品質劣化が比較的遅いもの早く悪くなるものまだ食べられる2014.11月号4

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