がんばらにゃ2016年6月号
2/16

※『五領玉ねぎ』は、昔、九頭竜川の中洲にあった5つの島が五領ヶ島村と 呼ばれていたという御領地区の由来に基づく名称です。 シャキシャキとした歯ごたえで、甘くみずみずしい新玉ねぎ。旬を迎えた新玉ねぎは水分が多くてやわらかく、辛みが少なくて食べやすいのが特徴です。 永平寺町松岡御領地区に広がる1町8反の水田を活用した畑で、砂村さんは五領玉ねぎやピクニックコーンを育てています。「福井県の玉ねぎ生産で一番規模が大きいのが御領地区。もともと九頭竜川の中洲で、河川敷の水はけの良い砂土が玉ねぎの栽培に適している。この土地の財産です」と語ります。 水はけのムラがなくなるよう、砂村さんは畑の畔(あぜ)に沿って溝を掘る「額縁排水」を施しています。「畑全体が同じ条件になるよう溝を入れないと、水はけも肥料の効果も均等でなくなってしまうんです」。玉ねぎで一番難しいのは「苗作り」と言い、さらに、苗を植える前の畝(うね)たてや植えた後の雑草対策、病害虫対策なども重要だと語ります。「玉ねぎと話をするように、いつも見てあげることが大切。遠くから眺めただけで、おかしなところがあればわかるんですよ」。シャキシャキして甘くみずみずしい 永平寺やさい村の五領玉ねぎ 砂村さんは、玉ねぎ作りを始めて7年目。「大変な時期もありましたが、農業に詳しい知人の指導や県の補助、友だちの応援を受け、ここまでこられました」と67歳からの就農を振り返ります。 2016年から『五領玉ねぎ生産組合』の会長に。選別機など機械による省力化や、60歳以上の生産者による『農村青年隊』、新水はけのよい風土が育む美味しい五領玉ねぎ品種への挑戦など精力的に活動しています。乾燥機の導入では、約1週間かけて30℃前後で乾燥させ表皮水分を10%程落としてから保存することで、長期保存と年間通した安定出荷を実現。様々な生産拡大への取り組みを、「子孫への恩返し」と語る砂村さん。「その思いがあるから元気に続けられるし、そのことが自分の健康にもつながっています」。 『たんぽぽツアー』や『産直交流会』などで、「五領玉ねぎは美味しいと言ってもらえるとうれしいですね。苦労をわかってもらえるのも力になります」と笑顔がこぼれる砂村さん。「農業はおもしろい。毎日ワクワクして、朝起きるのが楽しみなんです。残された人生は、五領玉ねぎの生産拡大に捧げたい」と力強く締めくくってくださいました。生産拡大をめざして尽力玉ねぎに人生を捧げて組合員と生産者がともに育てあう生協の産直永平寺やさい村新玉ねぎはサラダやスープが定番ですが、「スライスして耐熱皿に入れラップをかけ、やわらかくなるまで電子レンジで加熱。冷めてからマヨネーズで和えるとお子さんにも食べやすく、量もたくさん食べられますよ」と砂村さん。オススメの食べ方『たんぽぽツアー』にて、永平寺ピクニックコーン見学の様子上手な保存方法[新玉ねぎ]袋に入れて、冷蔵庫の野菜室に入れ、早めにお召し上がりを。[玉ねぎ]袋から出して、風通しの良い冷暗所に少し隙間をあけて並べて。〈6月(予定) (ふくい~な)〉宅ハ新玉ねぎ〈7月(予定) (ふくい~な)〉宅ハ玉ねぎ永平寺やさい村 (永平寺町)砂村 義隆さん五領玉ねぎを年間50トン出荷。他にも、たんぽぽ便「ふくい~な」やハーツで人気の永平寺ピクニックコーンを栽培。五領玉ねぎ生産拡大に向け、多方面で尽力中。Profile「単に『できた野菜』ではなく、消費者のみなさんに向けて『作った野菜』をお届けしたいと思っています」と信念を語る砂村さん。苗はビニールハウスで大切に育てられ、4月始めから機械で畑に植えられます。2016.6月号2

元のページ  ../index.html#2

このブックを見る