がんばらにゃ2017年1月号
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粘りがよくて味がまろやかな、柳農園の長いも。「長いもは、地元では〝切りいも〞と呼ばれる伝承野菜。砂の土壌は排水がいいから、三里浜の砂丘畑で育つ根菜類は肌がきれいで真っすぐ育ち、ダントツで味がいいんですよ」と、誇らしそうに教えてくれた柳さん。約4千㎡の砂丘畑で、約8千本の長いもを栽培。「長いもは生のまま食べられるから、農薬は極力使わないようにしています」とこだわりを語ります。 毎年4月、桜の咲く頃に植え付けた種いもは、支柱にツルを絡ませながら背を伸ばし、6〜8月頃には畑の向こう側が見えなくなるほど生い茂ります。10月には、ツルが立ち枯れて休眠期に入り、地中の長いもが熟成。枯れたツルを取り除いたときにつけた目印を頼りに、柳さんが1本1本丁寧に手掘りしていきます。 収穫後の出荷作業は、主に奥さまの仕事です。長いもについた砂を水洗いして乾燥し、細いツルをバーナーで焼き取ったものを出荷前日にカットします。「長いもはデリケートですから、すべて手作業。少しでも新鮮なうちにお届けしたいですね」と微笑みます。 生協の産直生産者に登録して2年目。2016年度は、産直交流会やたんぽぽツアー、ハーツの産直市など、積極的に活動しました。農園を訪れた組合員のみなさんからは、「掘る作業のご苦労を知りました」、「長いも生産への真剣さが感じられました」など、感動の声がたくさん集まっています。 「重量があって、中身の色が白い長いもが理想だけど、土の中は目に見えないので、こればかりは掘ってみないとわからない」と苦笑いする1本1本丁寧に手掘りし新鮮さを大切に早朝出荷柳さん。なかには切ると芋の色が変色してしまうものがあり、「切ってみないとわからない。いつも女房と『日々勉強や』と言っています」と真摯に語ります。 柳さんは、現在68歳。仕事を引退してから、それまで兼業だった農業に本格的に取り組みました。「季節を感じながら、毎日適度に体を動かす。精神的なストレスとは無縁です」と充実した日々を過ごしています。 さらに、「砂地の土壌は、この地に与えられた財産。しっかり生かしていきたい」と使命を抱き、地元生産者団体の会長など複数の役職を兼務。地域のリーダーとして、「農業で生計が立てられるシステムをつくること」をめざしています。 「長いもは手間がかかるけど、それも楽しみのひとつ。もっと早く農業をやればよかったと思うくらいですよ」と、ほがらかに笑う柳さん。今日も奥さまと一緒に、砂丘畑で仕事に励んでいます。農業を営む仲間とともに砂地という財産を生かす組合員と生産者がともに育てあう生協の産直一番のオススメは、すりおろしたとろろいも。他にも、薄い短冊切りにして甘酢和えにしたり、1cm程の厚さに切ってバターで焼いてサッとしょうゆを絡めたりしても美味しいですよ。このとき、輪切りより繊維にそって切った方が、早く火が通るそう。その他、味噌汁、煮物、揚げ物にも。火の通りが早いので、時間がないときのメニューにもピッタリ。オススメの食べ方上手な保存方法柳農園(福井市)柳 孫右ヱ門さんさよ子さん約15,000㎡の農園で、長いもやごぼうなどを栽培。砂丘地の土壌に適した生産物にこだわり、2年ごとに土地を休ませる輪作を実施。Profile「長いもはとてもデリケートなので、できるだけ一度に使い切って」と柳さん。もし残った場合は、切口のぬめりをティッシュで拭き乾燥させてから、新聞紙に包んで涼しく風通しの良いところで保存してください。粘りがよくて、味はまろやか 柳さんの長いもやなぎ柳農園〈次回1月4回~ 2月2回(予定)(ふくい~な)〉宅…ハーツ・ …宅配サービスたんぽぽ便 で取り扱っています ※取り扱い状況は、変更になる場合もありますのでご了承ください。宅3
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