がんばらにゃ2017年10月号
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Vol.22しっかり食べよう!朝ごはん11・12月に開催する食育の会主催の講座「しっかり食べよう朝ごはん」~脳と体にスイッチオン!~で講師にお迎えする谷 洋子さんに朝ごはんの大切さについてご紹介いただきました。※講座の詳細は18ページをご覧ください。 わが国は世界でも有数の長寿国であり、平均寿命も男女共に80年を超え、今後もさらに延びることが予測されています。 一方、食生活においては不規則な食生活や栄養の偏り、朝食の欠食、生活習慣病の増加などから国民の医療費も年間40兆円、1人当たり32万円となっています。 また、子どもたちの朝食の欠食や、「こ食※」なども問題となっています。(※こ食…孤食、個食、固食、粉食、小食、濃食) 国では平成17年5月、食育基本法が制定され、平成28年には若い世代に重点をおいた第3次食育推進基本計画が発表されました。 本県でも、食育という考え方を提唱した石塚左玄の出身地ということから食育の推進に力をそそいでいます。 特に、成長期にある子どもたちにとって健全な体を作り、元気よく活動するためには三度の食事は何よりも大切です。その中でも特に朝食は、1日の活動源であり脳細胞が活発に働くには重要です。 ところが、小学生で約10%が朝食を食べておらず、食べていてもパンだけ、ドーナッツだけといった食べ方で食品数も少なく、栄養のバランスのとれた食事とはいえないのが現実です。 人が目覚めた直後は、血糖値が低く、内臓や神経、脳の働きが低下した状態です。朝起きたときに、頭が「ボーッ」としているのはそのためです。 私たちの脳は〝ブドウ糖〞をエネルギー源としていますが脳はブドウ糖を蓄えておくことができず、筋肉や肝臓でグリコーゲンとして蓄えられています。しかし、このグリコーゲンは眠っている間に使われてしまい、朝起きたときにはブドウ糖が不足しており、いわゆるガス欠状態です。 朝食を食べてエネルギーを補給することで脳が働き、仕事や勉強への集中力がアップします。朝食を食べる子どもは成績が良いという結果もでています。さらに、朝食を食べることにより体温が上昇し、活動的にもなります。また、朝食を食べないと大腸の動きが悪いので排便ができず、授業中に落ち着きがなく、腹痛などを起こしやすくなるといった弊害もでてきます。①炭水化物はとりましょう。ご飯、パンなどをしっかりとると腹持ちが良く、ブドウ糖を長時間にわたり安定して脳に送ることができるのでおすすめです。②たんぱく質、脂質をとりましょう。卵、大豆・大豆製品、焼き鮭、ハムなどは安価であまり手をかけずに食べられ便利です。たんぱく質と脂質をとり入れることで体温の上昇にも効果的で、昼までお腹がすき過ぎることもないでしょう。③無機質、ビタミン、食物繊維もとりましょう。バナナやグレープフルーツ、サラダなどは手軽です。また、コップ1杯の牛乳もおすすめです。野菜またはフルーツなど酸味のものを一緒にとると疲労回復にも効果的です。 ちょっと早起きをして、1日のスタートの朝食をもっと楽しみましょう!朝食は何を食べればいいの?「朝食」ってなぜ大切? 「1日の始まりは朝食から」といいます。ところが最近、若い世代を中心に朝食をとらない人が増えています。先日、県内の大学生に「学食で朝ご飯食べて」と学生食堂で朝食を提供するという新聞記事がありました。良い食習慣に繋がることを期待しています。PROFILE実践女子大学家政学部卒業。専門は「調理科学」。主な著書は「現代調理学」「調理学実習書」など。地域の特産品の調理特性、福井の食文化や食育に関する研究に取り組む。福井市、坂井市、あわら市食育推進計画委員長。(公社)ふくい・くらしの研究所理事など。「食」をめぐる現状たに ひろこ谷 洋子さん仁愛大学 名誉教授理想的な朝食副 菜無機質・ビタミン・食物繊維腸の活動を活発にし、排便を促す1日の体内リズムを整える野菜・いも類・海藻など主 菜たんぱく質・脂質体温上昇持久性のエネルギー源魚・肉・卵・大豆製品など主 食炭水化物脳のエネルギー源ご飯・パンなど汁もの・飲みもの無機質・ビタミン他体の調子を整えるみそ汁・牛乳・果物など2017.10月号4
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