がんばらにゃ2018年11月号
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 「つくる、つなぐ、まなぶを通じて福井の元気作りに貢献する」ことを掲げ、県民せいきょうのグループ会社として敦賀市とあわら市を中心に農場を展開するふくいレインボーファーム。敦賀では稲作とみかん栽培を中心に取り組み、あわらではキャベツなどの露地野菜を栽培。敦賀の田んぼでは、コシヒカリ、あきさかり、ハナエチゼンに加え、今年からいちほまれの本格生産が始まりました。 2017年11月には、お米、キャベツ、みかんの3品目で、県内初となるグローバルG.A.P.(※)個別認証を取得。それに基づく栽培管理を徹底しています。「グローバルG.A.P.は、安全・安心はもちろん、しっかりとした農業生産工程の仕組みと管理を推進するもの。農業を始めて3年目の我々にとって、技術向上への一番の近道という思いもあります」と語る宮越さん。「認証取得からがスタートで、計画書などにそって業務を進め、それを記録することで、生産技術が上がり、労働安全や環境保全の取り組みのレベルも上がる。その結果、持続可能な事業になり、安全・安心な農産物を組合員のみなさんに提供し続けることができると思います」。 グローバルG.A.P.の認証取得で、一番驚いたのが「水の問題」だと宮越さんは振り返ります。「農薬や肥料だけでなく、水を何リットル、どのように使ったかまで記録することが求められる。世界的にみると水は枯渇資源であることを改めて認識しましたし、それをあまり意識せずにすむ福井は恵まれた地域であることも感じました」。田んぼはもちろん、水源と安全・安心と技術を向上グローバルG.A.P.取得なる山あいの敦賀沓見水源など2つのため池でも検査を実施。審査項目に基づく水質検査や土壌分析、残留農薬検査を通して、科学的根拠から安全・安心を追求しています。 また、田んぼでは毎年、組合員のみなさんとの交流として、田植えや収穫体験などを行っています。「親子で参加できる食育として好評です。さまざまな活動を通して、福井の農業の元気作りに貢献できたら、というのが我々の思いです」と宮越さん。 今年8月には、グローバルG.A.P.の更新審査を受け、2年目も無事に認証を取得。今後は、「グローバルG.A.P.の運用・管理に磨きをかけ、生産工程での仕組み作りなどの情報発信を県内の生産者にも行い、農業の活性化、新規就農者の増加や環境保全につながる取り組みにさせていきたい」と語りました。体験や情報発信を通して農業の元気作りに貢献を組合員と生産者がともに育てあう生協の産直ふくいレインボーファーム ふくいレインボーファームグローバルG.A.P.に基づく米づくり▲10月6日 収穫体験の様子▲審査の様子G.A.P.は「Good Agricultural Practice」の頭文字。安全性や環境面、作業環境など、200以上の項目を第三者機関が収穫時に審査する、欧州発の世界認証。適切で効率的な農場管理をするための手法です。4つの柱として管理点が定められています。(※) グローバルG.A.P. とは❶安全な農産物の生産と出荷❸信頼できる販売管理❹環境へ配慮した生産活動❷作業者の労働安全と福祉の確保ハハーツ各店で11月(予定)より販売ふくいレインボーファームの新米を使ったハーツのお弁当ふくいレインボーファーム株式会社(あわら市・敦賀市)取締役宮越 博之さん2016年設立。地域と連携を図りながら、県内の農業活性化をめざし、地産地消推進や耕作放棄地解消などに取り組んでいる。Profile2018.11月号4

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