がんばらにゃ 2020年3月号
2/16

 甘くコクがあり、真っ赤に熟した「福井和郷の甘とまと」。トマト特有の青臭さがなく、トマトが苦手な方にもおすすめです。 うま味がギュッと濃縮された美味しさの秘密を、「品種選びと独自の栽培管理システム」と語るトマトハウスチームのチームリーダー 山本克樹さん。「甘とまとはフルティカという品種で、本来40〜50gの中玉サイズになるものです。それを土が乾かない程度の水分でストレスをかけることで、10〜25gのミニトマトサイズにしぼり、糖度を上げています。季節によっては、糖度10度を超えてフルーツ並みの甘さになるんですよ」。 また、1つのトマト苗を約1年間育てて収穫する周年栽培も大きな特長のひとつです。「成長を止めず年間を通して収穫できる体力のある樹にするためには、環境を整えることが大事」と山本さん。ハウスでの隔離培地栽培で灌水コントロールを徹底し、高度な栽培管理ノウハウで温度・湿度・CO2濃度などを複合的に制御することで、1年中いつでもトマトに最適な環境を維持しています。 3.6haの広大な栽培ハウスでは、約22万本のトマトを育成。ハウスを2棟に分けて時期をずらして作付し、年間を通して安定供給しています。蜂による花粉交配や防虫ネットの導入など、自然環境にも配慮。不要な葉を取り除く〝葉かき〞、のびたつるを下ろす〝つる下ろし〞、脇芽を取る〝芽かき〞など日々の管理は手作業で、収穫も手摘みで丁寧に行います。収穫後は、選別機により1粒ずつ計量し、糖度センサーで糖度をチェックしています。 大規模トマト栽培ハウスのスケールの大きさに、産直交流会で訪れた組合員からは驚きの声があがりました。「伝統的な農業と環境制御技術やITといった工業の技術を融合させることが、当社の農業生産の基盤。働き方改革も進め、従来の農業のイメージを変えていきたい」と山本さん。今後は、「AIなどの進化で技術を上げ、美味しいものをより多く収穫できるようにしたいですね」と微笑みました。独自の栽培管理を駆使し年間を通してトマトを収穫収穫は、手摘みで丁寧に選別機で糖度もチェック組合員と生産者がともに育てあう生協の産直真っ赤に熟した、甘さとうま味 福井和郷の甘とまと株式会社福井和郷「クラッカーにクリームチーズを塗って、4分の1にカットした甘とまとをのせて食べると美味しいですよ。おやつやおつまみにもピッタリです」と山本さん。「でも本当は、何もつけず丸ごと食べるのが、一番オススメです」とニッコリ。オススメの食べ方株式会社福井和郷(高浜町)トマトハウスチーム チームリーダー 山本 克樹さん伝統的な農業と最先端の工業技術を融合させ、年間300tのトマトを生産。フリーズドライ事業、植物工場事業なども展開している。2016年、ASIAGAP取得。Profile約1年間にわたって収穫される甘とまと。冬は気温が低く収穫までの時間が長いので濃厚な味わいに、夏は気温が高く収穫までの時間が短いのでさっぱりとした甘さになるそう。「季節ごとの風味の違いも楽しんでほしいですね」と山本さん。〈毎週企画(ふくい~な)〉宅ハ豆知識かん2020.3月号2

元のページ  ../index.html#2

このブックを見る