がんばらにゃ 2020年6月号
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六呂師高原に広がる、標高約600mの奥越高原牧場。荒島岳を見晴らす自然豊かな牧草地で、約200頭の牛を育てています。そのうち約140頭は、県内酪農家から買い取った育成牛(※1)です。牛舎で過ごす冬季以外は、4月末頃から11月頃まで約100haもの広大な牧草地で放牧。約2年かけて足腰の強い丈夫な体をつくり、人工授精で妊娠させて酪農家に譲渡しています。実は、県内酪農家数は25年前の72戸から現在22戸に激減し、牛の頭数も約3分の1に減っています。奥越高原牧場は県内酪農家の負担を軽減し、搾乳に集中できるよう、育成と初妊娠を行っています。 育成牛は、月齢で牛舎を分け、それぞれに適した飼料で飼養されます。生後3ヶ月までは病気にかかりやすく、「牛は元気がないと耳がたれ、餌の食いつきが悪くなる。毎日、牛の変化を一頭一頭見てあげることが大事です」と語る場長の八木保善さん。生後16ヶ月頃には、人工授精や若狭牛(和牛)受精卵移植により妊娠させ、分娩の2ヶ月程前に酪農家へ譲渡しています。 奥越高原牧場の業務は、育成牛の飼養以外にも多岐にわたります。広い牧草地を活かした冬期間の飼料(ロールサイレージ)の生産をはじめ、高能力牛から採取した受精卵の供給、県産梅酢を活用した新しい乳房炎予防技術の確立や乾乳(下図※2参照)期間の短縮による生涯生産性の向上といった試験研究、子どもとのふれあい体験学習、地域活性化施設としての観光への貢献なども大事な役割。頼れる相談役としても県内酪農家を幅広くサポートしています。業務委託も含め職員・スタッフは約20人で、乳腺炎予防研究に携わる河端茜さん(下写真)や3代目獣医の向井海渡さんなど、福井の酪農の未来を担う20〜30代の若者も活躍中です。 「牛乳を飲んだ人からの〝美味しかったよ〞の声が、酪農家にとって一番の喜び」と微笑む八木さん。 やさしい味わい福井県産牛乳は、県内酪農家から集められた生乳を日本酪農協同株式会社 滋賀工場に運び、HACCP認証の施設で製品化しています。牧場でのびのび育った健やかな乳牛から搾られた福井育ちの美味しさを、ぜひ一度味わってみてください。(※1)育成牛とは、離乳する生後2ヶ月頃から生後18ヶ 月頃までの牛のこと高原の牧場で足腰の強い丈夫で健やかな初妊牛に飼料づくりから研究まで酪農家を幅広くサポート組合員と生産者がともに育てあう生協の産直奥越高原牧場生後すぐ母牛から離し、専用の小屋で大切に育てます。健康で丈夫な体をつくるため、育成専用の牧場などで放牧して育てます。人工授精で種付けし、妊娠後約300日(10ヶ月)で出産します。出産してから約300日間、生乳を搾ります。搾乳開始から約280~300日後、次の出産に備えて搾乳をやめ、2~3ヶ月休ませます。福井育ちのやさしい風味 やさしい味わい 福井県産牛乳〈毎週企画(ふくい~な)〉宅ハいずれも1971年、福井県奥越牧場を開設。2009年、組織再編で福井県畜産試験場の附属機関に移行。初妊牛の生産、受精卵の供給、牧草生産、酪農研究などを行っている。奥越高原牧場(勝山市)場長八木 保善さんProfile乳牛のライフサイクル出生・哺育育成妊娠・分娩(出産)(※2)乾乳(※2)乾乳搾乳妊娠人工授精人工授精1周期12~15ヶ月を3・4回繰り返した後、乳牛としての役目を終え、肉用牛として活用されます。…ハーツ・ …コープの宅配 で取り扱っています ※取り扱い状況は、変更になる場合もありますのでご了承ください。 ※パッケージデザインが変更になる場合があります。宅3
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