農林水産省、メーカー資料などを基に作成PROFILE食品の安全性や環境影響等を取材している科学ライター。京都大学大学院農学研究科修士課程修了(農芸化学専攻)。毎日新聞社に記者として10年間勤めたのち独立。「メディア・バイアス あやしい健康情報とニセ科学」(光文社新書)で科学ジャーナリスト賞2008を受賞。環境省中央環境審議会委員、消費者委員会食品表示部会委員などを務めている。新刊は「効かない健康食品 危ない自然・天然」(光文社新書)。松永 和紀さん魚や肉米小麦粉小麦粉加工品葉物野菜さつまいもじゃがいも油保 存 方 法食 品主な食品のこれからの季節の保存方法(いずれも、なるべく早く食べきる)買ってきたらなるべく早く冷蔵庫へ入れる。一度に食べきれない量は、分けて冷蔵や冷凍をする虫が入りにくい袋、米びつなどに入れて、冷蔵庫や冷暗所に置く開封した袋は口をしっかりと閉め密閉容器に入れて、冷暗所に置く開封した袋は口をしっかりと閉め密閉容器に入れて、冷蔵庫に入れる新聞紙などに包み冷蔵庫野菜室で根を下、葉を上に立てて置く常温で保存。冷蔵庫など低温に置くと、細胞が傷み黒ずんで「低温障害」を起こす茹でたり蒸したりして食べるものは冷蔵庫野菜室に入れる。油を使い高温調理するものは、冷暗所に置く蓋をしっかりと閉めて冷暗所で保存。揚げ油は、油かすなどを濾してから冷暗所に置く。なるべく早く再使用し、劣化してきたら思いきって処分するVol.50食にまつわるちょっとした疑問について科学ライターの松永和紀さんがわかりやすくお伝えします。 暑く湿度の高い季節が近づいています。細菌による食中毒に要注意、というだけではなく、食品の品質劣化も起こりやすくなります。味が落ちたり虫が増殖したり、体に悪影響を及ぼす化学物質が増えることも。解説しましょう。気温が上がると品質も劣化保存法に注意し早く食べきる 腐敗・カビ 温度が上がると食中毒菌だけでなく、他のさまざまな細菌も増えやすく、腐敗しやすくなります。カビもすぐに目立つようになります。買物から帰ったら、魚や肉などはすぐに冷蔵庫へ入れ、なるべく早く食べきりましょう。食べ残しなどの調理済み食品は、冷蔵庫で保存しましょう。 虫・ダニ 虫やダニも、温度の上昇と共に活動が活発になり、食品にどこからともなく入り込んで増えてしまうことがあります。米のコクゾウムシは、15℃以上で増殖しやすいため、米の買いだめは避け、冷蔵庫や冷暗所で虫が入らないようにして保存しましょう。 また、近年注目されるようになったのは小麦粉やお好み焼き粉、ホットケーキミックス、天ぷら粉などのダニです。ダニは体長が1mmに満たず、小さな隙間から袋の中に入り込み温度が上がると増殖します。食べた人がアレルギー症状を引き起こすことがあります。 そのため、これらの小麦粉加工品を使いきれず残した場合は、袋の口をしっかりと閉め、密閉容器に入れて冷蔵庫にしまい、なるべく早く食べきりましょう。 一方、小麦粉は保存方法が異なります。製粉メーカーによれば、冷蔵庫での保存は、使用するために出したり入れたり、という温度差により結露が発生しやすく、塊ができたりカビが発生しやすくなったりします。また、冷蔵庫内の匂いがうつりやすい、という問題もあります。そのため、開封した小麦粉は袋の口をしっかり閉めて密閉容器に入れて冷暗所に置き、なるべく早く使いきりましょう。 栄養成分の低下 野菜や果物などは、収穫後も栄養成分を用いて呼吸などの活動を続けています。温度が高いと呼吸が盛んになり栄養成分が減りますし、多くの化学物質を発生させ異臭につながることもあります。そのため、冷蔵庫を活用しましょう。 ただし、冷蔵に不向きの品目もあります。たとえば、さつまいもの適温は13〜15℃。また、じゃがいもは、冷蔵するとデンプンが糖に変わりやすく、油を使った高温調理をすると、糖から発がん物質のアクリルアミドを生成しやすくなるため、フライドポテトや炒め物には向きません。冷蔵じゃがいもはポテトサラダなど茹で・蒸し調理が適しています。 油の酸化 気付きにくいのは、空気に触れている油の酸化です。匂いが付き味も悪くなり、揚げ物の調理時に細かい泡が消えないようになります。気温が上がると、酸化スピードが上がるため、これからの季節は注意が必要です。開封した油はなるべく早く使いきり、揚げ油の繰り返し使用の回数も減らした方がよいのです。フライドポテトなど揚げた食品も酸化して味が落ちやすくなるので、なるべく早く食べましょう。…ハーツ・ …コープの宅配 で取り扱っています ※取り扱い状況は、変更になる場合もありますのでご了承ください。 ※パッケージデザインが変更になる場合があります。宅3
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